改訂日 2016年1月5日
1.製品及び会社情報
製 品 名:アルファー・ゾル-ゲル化剤
会 社 名:東京電設サ-ビス株式会社
住 所:〒146-0095 東京都台東区東上野6-21
電話番号 03-6371-3140
FAX番号 03-6371-3139
製品説明 種類 : 硬化促進剤
主な用途 : アルファー・ゾル-STTGの硬化促進剤
2.危険有害性の要約
GHSの分類
物理化学的危険性
引火性液体: 区分外
健康に対する有害性
急性毒性 経口: 区分外
経皮: 分類対象外
吸入: 分類対象外
皮膚腐食性/刺激性: 区分2
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性: 区分2A
呼吸器感作性: 区分1
皮膚感作性: 区分1
生殖細胞変異原性: 区分外
発がん性: 区分2
生殖毒性: 区分外
特定標的臓器/全身毒性(単回暴露): 区分2
特定標的臓器/全身毒性(反復暴露): 区分1
吸引性呼吸器有害性: 区分外
環境に対する有害性
水生環境急性有害性: 区分外
水生環境慢性有害性: 区分外
(ラベル要素)
・絵表示
・注意喚起: 危険
・危険有害性情報:
・皮膚刺激 ・強い眼刺激 ・吸入するとアレルギー、喘息または
呼吸困難を起こすおそれ ・アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
・発がんのおそれのうたがい ・臓器の障害のおそれ
・長期にわたる、または反復暴露により臓器を損傷
・取扱上の注意事項
・目に入ると炎症を起こすことがあります。取り扱う際には保護眼鏡を使用する
などして目に入らないようにして下さい。
・皮膚に触れると炎症を起こすことがあります。取り扱う際には保護手袋を使用
するなどして皮膚に触れないようにして下さい。
・飲まないで下さい。(飲み込むと、下痢、嘔吐します)
・容器を開ける時は手を切る恐れがありますので、保護手袋を使用して下さい。
・子供の手の届かない所に置いて下さい。
・応急処置
・目に入った場合は清浄な水で15分間洗浄し、直ちに医師の診断を受けて
・皮膚に触れた場合は、水と石けんで十分に洗って下さい。
・飲み込んだ場合は無理に吐かせずに、直ちに医師の診断を受けて下さい。
・廃容器の処理
処理方法は法令で定められています。法令に従い正しく処理して下さい。
不明な場合は購入先にご相談の上、処理して下さい。
・保管処理
ゴミ、水分等の混入防止の為、使用後は密封して下さい。直射日光を避け、凍結
させないよう室内で保管して下さい。原則として6ケ月以内に使用下さい。
3.組成、成分情報
化学物質・混合物の区別:混合物
化学名又は一般名:水溶性ポリイソシアネート
組成表 :
成 分 | 含有量 | 化審法 | 安衛法 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ポリオキシエチレン・ ポリオキシプロピレン縮合物 | 52~63wt% | 7-327 | - | 非公開 |
γ-ブチロラクトン | 18~22wt% | 5-3337 | 5-3337 | CAS No 96-48-0 |
2,4-トリレンジイソシアネート | 9.5~12.0wt% | 3-2214 | 3-2214 | CAS No 584-84-9 |
2,6-トリレンジイソシアネート | 2.5~3.0wt% | 3-2214 | 3-2214 | CAS No 91-08-7 |
法規制対象成分:
成 分 | 安衛法 | PRTR法 |
---|---|---|
ポリオキシエチレン・ ポリオキシプロピレン縮合物 | 非該当 | 指定化学物質に該当しない |
γ-ブチロラクトン | 非該当 | 指定化学物質に該当しない |
2,4-トリレンジイソシアネート | 通知対象物 | 第一種指定化学物質第338号 |
2,6-トリレンジイソシアネート | 通知対象物 | 第一種指定化学物質第338号 |
GHS分類に寄与する不純物及び安定化添加物:特になし
4.応急処置
吸入した場合:
蒸気、ガスなどを吸い込んで、気分が悪くなった場合は、空気の
清浄な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。
気分が悪い時は医師に連絡する。
皮膚に付着した場合:
付着物を布等で素早く拭き取る。付着した部分を石鹸水又は水を
流しながら15分以上充分洗浄する。溶剤(シンナー等)は使用しない。
外観に変化が見られたり、刺激、痛みがある場合、気分が悪い
場合は医師の診断を受ける。
目に入った場合:
直ちに清浄水で15分間以上洗眼後、速やかに医師の診断を受ける。
飲み込んだ場合:
多量の水又は食塩水を飲ませた後、吐かせ、速やかに医師の
診断を受ける。
最も重要な徴候及び症状:特になし
応急措置をする者の保護:特になし
医師に対する特別な注意事項:特になし
5.火災時の処置
適切な消化剤
消火剤 :水・炭酸ガス・ドライケミカル等一般消火剤
火災/注意:これらの物質は引火点が極めて低い。消化の効果が不十分なときは散水する。
火災時の特有の危険有害性:特になし
初期消火火災 : 粉末・泡・二酸化炭素・乾燥砂などを用いる。
大規模火災 : 泡消化剤を用いて空気を遮断する。
特定の消化方法
高温にさらされると蜜封容器は水をかけて冷却する。
消化活動は風上より行う。可燃性のものを周囲から素早く取り除く。
消火を行う者の保護:
適切な保護具(呼吸用保護具・耐熱性着衣など)を着用する。
6.漏出時の処置
人体に対する注意事項/保護具及び緊急時措置:
出来るだけ直接皮膚に触れないようにし、保護手袋、保護眼鏡、
長靴を着用する。
環境に対する注意事項:
河川、湖沼へ流入した場合は、必要に応じて消防署、都道府県市町村の
公害関連部署、河川管理局、水道局、保健所、農協、漁協等に連絡する。
封じ込め及び浄化の方法・機材:
少量流出の場合、乾燥砂・おが屑・ウエス等に吸収させ回収する。
多量流出の場合、土砂、土嚢等で流出を防止した上で、空容器及び
バキューム等で回収する。
二次災害の防止策:特になし
7.取り扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策:容器から流出させないように、保護手袋、保護眼鏡を着用する。
局所排気・全体排気:特になし
注意事項:特になし
安全取扱い注意事項:特になし
保管
技術的対策:横積み禁止、水濡れ厳禁
適切な保管条件:凍結、直射日光を避け屋内で保管する。
安全な容器包装材料:適切な容器包装材料
8.暴露防止及び保護措置
管理濃度:
・2,4-トリレンジイソシアネート:0.005ppm
・2,6-トリレンジイソシアネート: 0.005ppm
許容濃度:
・2,4-トリレンジイソシアネート
:日本産業衛生学会(2005年版) 0.005ppm 0.035mg/m3
:ACGIH(2005年版) TLV-TWA;0.005ppm TLV-STEL;0.02ppm
・2,6-トリレンジイソシアネート
:日本産業衛生学会(2007年版) 許容濃度;0.005ppm 最大許容濃度;0.02ppm
:ACGIH(2007年版) TWA;0.005ppm STEL;0.02ppm
設備対策:状況に応じ局所排気装置等を設置する
保護具:呼吸器用保護具:着用する
保護眼鏡:着用する
保護手袋:着用する
保護衣:着用する
9.物理的及び化学的性質
形状: 粘性液体
色: 淡黄色
臭いの閾値: 特異臭
pH: 7.0~9.0
融点/凝固点: データなし
沸点: 204℃(γ-ブチロラクトンとしての値)
初留点: データなし
沸騰範囲: データなし
引火点: 155℃(クリーブランド開放式)
自然発火温度: データなし
燃焼性(個体、ガス): データなし
燃焼又は爆発範囲(上限): データなし
燃焼又は爆発範囲(下限): データなし
蒸気圧: データなし
蒸気密度: データなし
蒸気速度: データなし
比重(相対密度): 1.05~1.15g/㎝3
溶解性: 水に可溶
オクタノール/水分配系数: データなし
分解温度: データなし
その他のデータ: 特になし
10.安定性及び反応性
安定性: 通常の保管・取扱条件で安定
危険有害反応可能性:
水、アミン等の活性水素を有する化合物と容易に反応する。
水と反応し、炭酸ガスが発生し容器を破裂させることがある。
避けるべき条件: 水と反応するので保管時は密封する。
危険有害な分解生成物: 特になし
11.有害性情報
急性毒性 :
・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン:LD50(経口)ラット 5700mg/kg
・γ-ブチロラクトン
:LD50(経口)ラット 1540mg/kg
:LD50(経口)マウス 1720mg/kg
:LD50(経皮)モルモット >5000mg/kg
:LD50(粉塵/ミスト)ラット>5.1mg/L(4h)
・2,4-トリレンジイソシアネート:LD50(経口)ラット 5800mg/kg
皮膚腐食性/刺激性 :
・2,4-トリレンジイソシアネート:ウナギを用いた皮膚刺激性試験の結果、「severe」という
記述から、4時間適用試験結果が不明であるが、中等度の皮膚刺激は示すと
考えられる。EUリスク警句で刺激性(Xi)とされていることを参考にして、
区分2とした。
・2,6-トリレンジイソシアネート:HSDB(2005)「吸入;摂取;蒸気、ダストまたは物質との接触
(皮膚、目)により重度の障害、薬傷を起こし、死亡するおそれもある。
水との反応により熱を発生し、空気中にヒューム濃度を増大させる。火災により
刺激性、腐食性または毒性のガスを生成する。消火の際の流水や希釈水は腐食性、
毒性のおそれがあり、汚染を引き起こすおそれがある」、ICSC(J)(1998)
「発赤、灼熱感、痛」という短期暴露の影響データ、およびEUリスク警告で
刺激性(Xi)の分類を参考として、区分2とした。
眼に対する重篤な損傷/刺激性 :
・γ-ブチロラクトン:眼に対して可逆的ながら中度の影響が観察されている。
・2,4-トリレンジイソシアネート:ウサギを用いた眼刺激性試験の結果、「重度の刺激性」との
報告がある。ヒトの眼刺激性試験の結果、「わずかな結膜刺激」「眼への刺激に
よる流涙」が見られたとの記述あり。
・2,6-トリレンジイソシアネート:DFGOTvol.20(2005)のヒトの眼刺激性試験結果
「2,4-トリレンジイソシアネートよりさらに強い眼および鼻の刺激性」という記述から、
強い眼刺激性を有すると考えられ、EUリスク警句で刺激性(Xi)で分類されている
ため、区分2Aとした。
呼吸器感作性/皮膚感作性 :
・2,4-トリレンジイソシアネート:呼吸器感作性:産衛学会勧告(2005)で「気道第1群」に分類
されている。吸入するとアレルギー、喘息または呼吸困難を起こすおそれ(区分1)
皮膚感作性:モルモットを用いた皮膚感作性試験の結果、「陽性」であった。
産衛学会勧告(2005)「皮膚第2弾」、ACGIH-TLV(20005):「SEN」という既存分
類がある。アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ(区分1)
・2,6-トリレンジイソシアネート:呼吸器感作性:産衛学会勧告(2005)で「気道第1群」とした
既存分類を参考にして区分1とした。
皮膚感作性:産衛学会勧告(2005)「皮膚第2弾」、ACGIH-TLV(20005):「SEN」
という既存分類を参考にして、区分1とした。
変異原性(生殖細胞変異原性) :
・2,6-トリレンジイソシアネート:in vivo試験結果はないが、複数指標のin vitro変異性試験
(復帰突然変異試験、染色体異常試験)で陽性と評価される結果がある。
in vivo変異原性陰性のデータ資料記載は無く、本物質について、GHS分類指針
に従い区分2とした。
発がん性 :
・2,4-トリレンジイソシアネート:ACGIHの分類がA4であるが、IARC71で2B、産衛学会勧告で
2Bに分類しており、指針に従いIARCの分類を優先して、区分2とした。
発がんのおそれの疑い(区分2)
・2,6-トリレンジイソシアネート:ACGIHの分類がA4であるが、IARC71(1999)で2B、産衛学会勧告
(2004)で2Bに分類しており、指針に従いIARCの分類を優先して、区分2とした。
生殖毒性: データなし
特定標的臓器/全身毒性-単回暴露 :
・2,4-トリレンジイソシアネート:ヒトについては、「眼、皮膚、気道を刺激する。蒸気を
吸入すると化学気管支炎、肺炎、肺水腫を起こす」と記述があることから、呼吸器
が標的臓器と考えられた以上より、分類は区分2(呼吸器)とした。呼吸器の障害
のおそれ(区分2)
・2,6-トリレンジイソシアネート:ヒトについては、「眼、皮膚、気道を刺激する。蒸気を
吸入すると、化学気管支炎、肺炎、肺水腫を起こすことがある」(ICSC(J)1995)等
のと記述があることから、呼吸器が標的臓器と考えられる。以上より、分類は
区分2(呼吸器)とした。
特定標的臓器/全身毒性-反復暴露 :
・2,4-トリレンジイソシアネート:実験動物について、「回復性のある喉頭の過形成、
扁平上皮化生、鼻炎、努力呼吸、回復性のある気管過形成、壊死性の気管支炎、
細気管支炎、肺の過形成、化生、水腫、肺胞炎、尿量と尿中のタンパク質含有量の
減少、血中窒素、ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数の増加、血小板、
白血球数の減少」等の記述がある。このことから呼吸器、血液系が標的臓器を
考えられる。実験動物に対する影響は、区分1相当とするガイダンス値の範囲で
みられた。以上により、分類は区分1(呼吸器、血液系)とした。長期または反復
暴露による呼吸器、血液系の傷害(区分1)。
吸引性呼吸器有害性: データなし
12.環境影響情報
水生環境有害性 :
・2,4-トリレンジイソシアネート:魚類(ファットヘッドミノー)96時間LD50 164500μg/L
・2,6-トリレンジイソシアネート:魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LD
50=164mg/L(HSDB,2004)から、
区分外とした。尚、本物質の異性体混合物であるメチル-1,3-フェニレン=ジイソシ
アネートは、急性毒性区分1に分類されている。
水生環境有害性 :
・2,4-トリレンジイソシアネート:急性毒性は区分外(水溶解度までの濃度で急性毒性が報告
されておらず、生物蓄積性が低い(BCF=380)ことから区分外と考えられる)
・2,6-トリレンジイソシアネート:急性毒性は区分外(水溶解度までの濃度で急性毒性が報告
されておらず、生物蓄積性が低いと推定されることから、区分外とした)
本物質の異性体混合物であるメチル-1,3-フェニレン=ジイソシアネートは、
慢性毒性区分1に分類されている。
残留性/分解性: データなし
生体蓄積性: データなし
土壌中の移動性: データなし
他の有害影響: 漏洩、廃棄等の際は、環境に影響を与える恐れがあるので、
取扱いに注意すること。特に、製品や洗浄水が地面、川、
排水溝に直接流れないように対処すること。
13.廃棄上の注意
凝固物は産業廃棄物として焼却するか、廃棄物処理及び清掃に関する法令に従い
産業廃棄物専門業者へ処理を委託する。
容器は分別し、外箱は古紙としてリサイクルするか、関連法規ならびに地方自治体の
基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
14.輸送上の注意
国内規制(適用法令)
陸上規制: 消防法、労働安全衛生法、毒物法に該当する場合は、それぞれの
該当法規に定められる運送方法に従うこと。
海上規制: 船舶安全法の定めるところに従うこと。
航空規制: 航空法の定めるところに従うこと。
国連番号: 非該当
国連分類: 非該当
品 名: 非該当
容器等級: 非該当
海洋汚染物質: 非該当
特別の安全対策: 輸送に際しては、容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下
損傷がないように積み込み荷崩れの防止を確実に行う。
重量物を上積みしない。
応急措置指針番号 : なし
15.適用法令
当該製品に特定の安全、健康および環境に関する規則 :
毒物および劇物取締法 : 該当しない
労働安全衛生法 : 第57条2通知対象物質 No.405 トリレンジイソシアネート
PRTR法 : 第一種指定化学物質 第338号 トリレンジイソシアネート
消防法 : 危険物第4類第3石油類(水溶性)
16.その他の情報
引用文献:(社)日本塗料工業会編集「GHS対応MSDS・ラベル作成ガイドブック」
(社)日本塗料工業会編「原材料物質データベース」
溶剤ポケットブック
危険防災救急便覧
国際化学物質安全カード(ICSC)
化学工業日報社「化学品安全管理データブック」
日本科学会編「化学防災指針集成」
化学物質等法規制便覧
(1)このデーターシートは、製品に関する情報提供を目的としたものであって、
その記載内容に関し、弊社が売主その他の立場で責任を負うものではありません。
(2)このデーターシートは、作成日又は改訂日までに弊社が入手した情報に基づいて
作成しておりますが、記載内容は新しい知見又は法規制の変更等により改訂される
ことがあります。
(3)このデーターシートは、通常想定される保管方法及び取扱い方法の範囲における
情報提供です。したがって、特殊な保管又は取扱いを行う場合は、その保管又は
取扱いに適した安全対策を実施の上ご利用下さい。