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STTG工法に関してよくあるご質問

Q1. 硬化促進剤に含まれる親水性ウレタンポリマーは、従来のウレタン注入材に用いられるものと同様なものでしょうか。石油樹脂・アクリル樹脂系材料自体は、コンクリートとの付着に優れ、構造物の挙動にも追随するとのことですが、ウレタンを混入することによって痩せたりすることはありませんか。また、痩せることがある場合、それによる影響ありませんか(材料特性)。

→1)硬化促進剤に含まれる親水性ウレタンポリマーは、従来のウレタン注入材に用いられるものと同様なものです。
→2)従来のウレタン材の痩せる原因として、発砲して材料が密につまっていないことが考えられます。STTG工法では主材の親水性ウレタンプレポリマーが5%程度と少なく、目に見える発泡はありません。空気中に放置した供試体を用いた測定では体積変化=重量変化とすると50日間では水分の吸収及び水分蒸発等により体積変化は、±3%程度と考えられます。また、50日以降は下のグラフの傾きから急激な重量変化は無いと判断されます。3%は体積変化を長さに換算すると1%程度です。これは伸び率の性能200%以上と比較しても小さい値となっています。そのため、体積変化に伴う影響はないと考えます。

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Q2. 出来形(注入深さ、注入量)の確認はどのように行うのでしょうか(施工性)。

出来形の確認としては、下記のように実施しています。
→1)削孔深さは、構築厚さの2/3程度に設定し、削孔後深さを確認します。
→2)注入量は、ひび割れからリークする水が注入材に変化したことが確認された状態、又は注入圧が上昇し、圧力が保持された状態が継続した場合に、当該打継ぎ目が充填されたと判断しています。注入終了時点で、注入ポンプの注入量を計測します。

Q3. 硬化時間短縮による躯体への影響等はどの程度確認されているのでしょうか。また、硬化時間が短縮されるということは、止水材がクラック全体に回り込まないという状況は生じないのでしょうか。施工時期の制約は、発生しないのでしょうか(材料特性)。

→1)材料の硬化時間(ゲルタイム)は、コンクリート部材に十分に回り、その段階で硬化が完了する時間として5分~20分としております。従来のアルファ・ゾル-STTGの2~4時間の硬化時間に比較して短いものの充填性を図るために、適正な時間と考えています。
→2)硬化促進剤混合率5~10%では、材料温度が10度以下で設定時間より長くかかるような状況が発生します。この様な状況が発生しないように、材料を温めること及び硬化促進剤の混合率を5%より高くすることで対処可能です。しかし、注入箇所での漏水の部分的な凍結による影響を考慮すると、施工時期としては外気温が0度を下回らない時期を推奨します。

Q4. 既存の工法との価格、工程、特徴などを比較資料を示してください(工法比較)。
工法名石油樹脂・アクリル系樹脂
高圧注入工法(STTG工法)
アクリル系高圧注入工法ウレタン系高圧注入工法
工法概略伸びや付着性に優れる石油樹脂・アクリル系止水材料に親水性ウレタンプレポリマーを混合し、主材のゲルタイムを要求性能の範囲に早めた。(2液タイプ)極めて低粘度の親水性高弾性樹脂を高圧で注入し、硬化樹脂の弾性反発と吸水樹脂によりひび割れを閉塞する。(2液タイプ)ポリイソシアネートが水と接触し、所定の時間経過後に従い、順次反応を始め、最終的に全量がゲル化する。このゲルはほとんど分散材を含んでいない。(1液タイプ)
特徴
主成分石油樹脂・アクリル樹脂、親水性ウレタンプレポリマーアクリル樹脂、硬化剤親水性ウレタンプレポリマー
充填性微細クラックへの対応も可能微細クラックへの対応も可能微細クラックへの対応も可能
変位追従性伸び、付着性に優れ、追随性が高い高弾性のため伸縮性に対する抵抗性が高い伸びや付着性がないため、追従性は低い
耐久性経年変化はほとんどない経年変化はほとんどない伸縮する目地等には追随できない
工程(ウレタン系高圧注入工法での作業時間を1.0とする)1.51.51.0
価格中間高い安い
Q5. 長期経過後の性能維持等の状況確認を継続して、実績の把握・検証をした資料を示してください(材料特性)。

→洞道確認実績
→本工法適用から最長で8年経過しているが、この箇所で再漏水はしておりません。
→水圧変動の要するダム監査路では7年半経過した時点で確認しましたが、この箇所で再漏水はしておりません。

Q6. 標準的な単価はどの程度ですか(工事費)。

→標準的な歩掛りはSTTG工法施工・品質マニュアルに記載しています。単価については工法協会にお問い合わせ下さい。会員会社を紹介いたします。

Q7. 他の止水工法と比較して経済性はどうですか(工事費)。

→標準単価比較では割高ですが、止水材料の特性から再漏水のリスクが低いことが期待できます。例えば、再漏水までの期間が2倍の場合には十分に経済性を確保できます。

Q8. 確実に施工できる施工会社はどのくらいありますか(材料特性)。

→現在施工できる会社は、STTG工法協会会員会社で69社(2023年3月現在)です。現場作業を行う人に対してSTTG工法協会で技能認定を実施しており、すでに269名(2022年11月現在)以上が認定を受けています。

Q9. 注入材の環境への影響は、どうですか(材料特性)。

→主な注入材は石油樹脂を始め、広く産業分野で使用されている汎用品を使用しており、ゲル化剤、硬化促進剤を除き、毒物劇物取締法、消防法、公害防止関連法に該当しません。
ゲル化剤、硬化促進剤の量は多くありませんが、危険物第四類第三石油類です。注入時には手袋、防塵メガネ、マスクを使用して下さい。

Q10. 最大湧水量はどのくらいまで止められますか(施工性)。

→施工実績としては、200リッター/分が最大です。湧水量が多くなった場合、集水、ゲルタイムの早い材料を使用した下処理などが必要となります。

Q11. 目地から漏水を止める場合、目地材の除去、コンクリートのはつりなど必要ですか(施工性)。

→完全に剥離したものは撤去が好ましいものの、本体と付着している場合は、除去しないで止水することができます。

Q12. 止水の耐久性はどの位ですか(材料特性)。

→実績としては、施工後6年経過したものについて、再漏水はありません。

Q13. 材料品質の確保はどうしていますか(材料特性)。

→材料品質については、製造元の三生化工(株)が製造ロッドごとに使用材料の混合量、製造過程を管理記録しています。販売元の東京電設サービス(株)は定期的に管理事項を工場で確認をして、これを記録にしています。

Q14. 施工実績を教えてください(施工実績)。

→2021年11月現在までの施工実績は349件、止水延長19.801kmを施工しています。東京電力以外では、下水道施設、建築構造物、地下鉄トンネル、地下駐車場などでの実績があります。
施工実績詳細はこちら>>

Q15. STTG工法協会の役割について教えて下さい(工法協会)。

→STTG工法を漏水に困っている皆さまに広く、安心して利用して頂くことを目的として平成26年5月に設立しました。協会員は特許権者、施工会社が主です。STTG工法の認知度、品質、施工の技能などの向上をはかることも業務としています。

Q16. 施工品質の確保はどうしていますか(品質)。

→工法協会では技能認定を実施しており、施工ではこの認定された施工者を配置することにより、品質を確保しています。

Q17. 施工ができない環境は、どの様な環境ですか(施工性)。

→強アルカリ、強酸を含む漏水には適用できません。また、油分が付着したコンクリート面や漏水に油分を含む場合には、注入箇所でコンクリートとの付着が取れない場合があります。

Q18. 材料の処分の仕方を教えてください(その他)。

→産業廃棄物として処理をお願いします。

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